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大切なふりかえり

 2012-12-04
年末年始のお知らせをすると、ノエルをすっとばして(あらま!)
しみじみした気分になります。

昨年の大晦日の営業は、夕暮れの時間、椅子に座ってひと休みしていってくださるお客様がいらっしゃったり、朝の活気とはまた違うゆったりと静かな時間が流れたことを温かく思い出します。

しみじみついでにひと足お先に1年の振り返りの時間をもたせていただきました。
テーマは『対面販売を選んだ理由』
よければしばしお付き合い下さいませ




お店に初めて来られた方や取材の方などは、「とってくださる方式ですね」とよく確認されます。
そうです。ご存知の通り、S.KAGAWAは対面式をとっております。

なぜ対面式にしたのか。それは大きく2つの理由があります。

ひとつは、言葉のやり取りをするためです。

コンビニでもスーパーでも買えるパン。
どこかで飲み物とまとめて買ってもいいところを、ひと手間かけてKAGAWAに来て下さったのだから、【ひとことも言葉を発さず、システマテックに買い物を終え、食べる。】というのは少し寂しいことのように思えます。
パンの名前を読んで下さるだけでも、これちょうだいなといってくださるだけでも違う気がするのです。


もうひとつは、もともと日本のお店は対面式であるから。

八百屋さんも魚屋さんも、商品の鮮度を見て美味しそうなものを買う。
現代のセルフ方式はお客さんも店員さんも合理的に仕事(用事)をこなすことを目的として、対面式から変化した方式だと言えます。
パン屋さんはセルフ、もしくはフランスを意識して対面販売、というパン業界ですが、
そういうことは抜きにして【もともとの日本】を考えて選んだ方法でした。


こんな考えから対面式にしたわけですが、
お子さんの手をひきながら、大荷物を抱えながら、はたまた車椅子でもパンを選んでいただけるというのが
現実的な一番の利点だったのでは・・・。やっぱり?そこが一番じゃないといけなかったかしら・・・とおもうのですが、正直なハナシ、大きな理由は上の2つだったという、自らの未熟を感じるふりかえりだったのでした。

合理的な方法ではないかもしれませんし、お急ぎの際はご迷惑をおかけするかもしれませんが、
もともと日本人は得意な方法であると思います。実際みなさんお上手ですから。
ご理解くださり、お越しいただいている皆様に感謝いたします。ありがとうございます。







また、少し話が進みますがもうひとつ。

対面式をとるにあたり、パンをショーケースに入れるかどうかも同時に検討しました。

シェフの希望は窯から出て来たパンが見せる”勢い”を感じられること。
それこそ八百屋さんやお魚屋さんのような感じでしょうか。おいしそう!というあの温度を持った感覚。
ガラスに隔たれた箱入り娘、息子だとパンの温度が感じ取りにくくなるのではと思ったのです。

さらに、ショーケースに入れるにはパンのあら熱がとれた状態でなければならない。
そんな風にパンがおちついて呼吸を整えて舞台に登場するのも悪くないけれど、
もうちょっと、熱々でパチパチ音がするようなやんちゃなパンが登場するほうをシェフは選びました。
(シェフの手から直接でてくるパンは時にとてもやんちゃすぎますけれど。
まだ出てくるの!?というくらいパン台に並んだりします・・・笑)

また、ショーケースのように上下左右に目線を動かすよりも左右のみの動きの方が楽に見ていただけるのではないいかと考え、シンプルに平台に置くことしました。


以上、なぜこうなったかというお話でした。



まだお付き合いいただける方はいらっしゃいますか?
お急ぎであればまた続きは次回読んで下さっても大丈夫ですが、実はここからが一番大事なのでは?とも思いますので、よかったらお付き合い下さい。





次は、それでどう思ったかという話です。


実際に使用してみて、自分たちの想いは実現したけれど、お客様目線での検討事項はまだまだあるというのが現状です。

例えばお子さんもパンも見なければならないお母さまの場合、お子さんに「下がってなさい」と言わせてしまうことの心苦しさ。楽しくお買い物をしていただきたいと思うゆえに、お母さんに対してもお子さんに対してもどこかで心苦しさを感じます。

一方で、お店に入る前にお母さんがお子さんの目線にあわせてしゃがんで、「パンに触れてはいけませんよ、いい?」というようなことを確認して2人で「よし」とうなづきあってご入店下さる姿をみると、お気遣いいただいてありがとうございますという思いと、母の教育の素晴らしさに感服するのです。

どうしても職人たるもの「うまいもの食わせたい」「自分の思い描くパンを焼きたい」という思いが先行してしまいがちです。でも毎日パンを焼き続けられるのは、みなさまのこういったご協力があってのことなんだよなぁと改めて思います。ありがとうございます。


とはいえご好意に甘えてばかれいもいられません!
もっと快適に過ごしてもらえるように、お子さまやご高齢の方がつかまれるバーがパン台の前にあってもいいのでは?とか、レジ横に荷物置き場があればとか、パン台の目線を上げては?という現実的なハード面から、目に入るもの、意識下に働きかけるものが心地よいものでありたいというソフト面までまだまだ検討事項や、やりたいことはたくさんあります。

徐々に自分たち、そしてお客様にとってもベストに持ってゆけるよう、優先順位をつけて取り組まなければなりません。作りたいもの、フォローすべきもの、いちどに完璧にはできませんが、ゆっくりとでもいいお店をつくってゆけたらと思います。

ですから、お客様に「こうしてみたら?」「ここが不便よ」という意見をいただくのはとてもありがたいことです。「芝生でパンとコーヒー飲みたいわぁ!」なんて素敵なことをおっしゃっていただくこともあります。先日も大切なお時間を割いて書いて下さった、応援のお便りをいただき、このようにふりかえるきっかけをいただきました。ありがとうございました。

すぐさま実行はできませんが、いただいたエッセンスは必ず我々の身体に残っているので、発酵〜熟成を経て、いつかどのような形かでそのエッセンスが使わせていただくことがあると思います。ものを作ってゆく上では必ず起こることですし、我々のものづくりの方法のひとつでもあると思っています。



昨年末はオープンして半年、お正月に備えて食パンなどたくさんのパンをご予約いただいたり、ご来店下さることが有り難いと感謝していました。

1年経ち、異なるテーマで考えた結果、やはり「皆さまがそばに立っていてくださるからこそKAGAWAが立っていられるのだ」と有り難く思う、同じ結論に達している自分がいます。ただその質は全く異なる、それが1年の成果であったかなとも思うのでした。

もう少し、今年の終わりまでそういうことを考えながらよちよち歩いて行こうと思います。
もちろんノエルも楽しんでいただけるよう、頑張りますよー!
今シェフたちはせっせと最終シュトレンを仕込んでいるところです!
今年ももう少し、どうぞよろしくお願いいたします。


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